出世したい?したくない?
したくない人は、そのリスクについて認識すべきやで。
最近出世したくないという人が増えてきています。
2019年に行われた調査では次のような結果が得られました。
2019年に行われた調査によると、出世は「どうでもよい」「役職にはつきたくない」等、出世に関心がない人は全体の22.9%でした。
出典:転職Hacks
2009年の「どうでもよい」「役職にはつきたくない」の合計16.2%より6.7%増加し、「主任・班長」(7.9%)や「社長」(12.6%)を目指す人と比べても昇進に関心がない人が最も多い結果となりました。
会社ではワークライフバランスを重視して出世しないという考え方には、非常に大きな落とし穴があります。
そこで、今回は出世のメリットとデメリット、出世しない選択は将来どんなリスクをもたらすのかを考えていきます。
出世のメリット・デメリット
メリット
出世をすることは次のようなメリットがあります。
- 給与が上がる
- 部下に指示をして、自分のやりたいようにできる
- 関係各部署にも影響力をもって仕事ができる
- 会社内のより重要な情報にアクセスすることができる
- 仕事の時間と量をコントロールしやすくなる
- マネジメント能力を高めることができる
給与が上がるのは当然として、出世することでさまざまな面で仕事がやりやすくなります。
1人で大きな仕事をすることはできないので、必然的に部下や関係部署の協力を仰ぐことになります。
こうした時に責任と権限を持った立場になると、組織を動かしやすくなります。
また、部下に仕事を任せることで、仕事の時間と量のコントロールが容易になります。
プレイイングマネージャーといった立場になることもありますが、非管理職の立場では見えなかったものが見えてきたりと、学びの機会は非常に多いと思います。
デメリット
反対にデメリットは次のようなものがあげられます。
- 仕事が忙しくなり、プライベートの時間が少なくなる
- 残業代が出なくなる
- 結果に対する責任を問われる
- 部下の管理監督責任がある
名ばかり管理職といった言葉もある通り、仕事が忙しいのに残業代が出ないなど、社員を使い倒すことを主眼とした昇格も少なくありません。
また管理職になると、あらゆる責任を問われる立場になります。
意思決定をして采配を振るうことになるので、関係各部署との折衝や、人間関係のしがらみが増えたりと、今までチャレンジしたことのない仕事が降りかかってきます。
出世を取り巻く現状
次に出世を取り巻く現状について考えていきます。
出世しない人の考え方
出世したくない人の考え方には次のような特徴があります。
- ワークライフバランスを重視している
- 給与が上がる以上のデメリットがあると考えている
- (女性の場合)家事や育児を優先したい
出世するも、しないも、個人の自由ですが、今後の人生を良く考えておく必要があります。
単純にデメリットの方が多いから出世しないという選択をしてしまうと、人生を失敗する可能性が高まるでしょう。
45歳定年制?
最近こういった発言が話題になりました。
9月9日、業界団体のセミナーに登壇したサントリーホールディングスの新浪剛史社長が、ウィズコロナの時代に必要な日本経済の活性化策について「45歳定年制を敷いて、個人は会社に頼らない姿勢が必要」と述べ、議論が沸き起こっている。
同氏としては「終身雇用や年功賃金制など、従来型の日本の雇用モデルから脱却する必要性がある」という考えの下、「45歳定年制を導入すれば、人材の成長産業への移動を促し、会社組織の新陳代謝を図れる」との意図で発言したものだったようだ。
出典:ITmedia ビジネスオンライン
45歳で定年することになると、残りの15年は別の会社で仕事をしていく必要があります。
発言の意図自体は終身雇用制度が完全に終わったので、別の仕組みが必要といった趣旨でしたが、会社にしがみつかない生き方を選択していく必要があります。
それに今の時代、勤めている会社が経営不振になることも珍しくないでしょう。
1つの会社だけではなく、自分のキャリアについて考えておく必要があるのです。
会社組織はピラミッド構造
会社組織は学校のクラスではなく、上下関係の厳しいピラミッド型の構造であるということを忘れてはいけません。
当然上の方が位置していた方が権限や裁量は大きいものとなります。
「出世したくない人」は、言わばこのピラミッドの一番下に位置する人になるということです。
残酷ですが、上の階層に行かないということは、あなたの代わりなどいくらでも居るということになってしまいます。
出世しないリスク
次に出世しないリスクを紹介していきます。
真っ先にリストラの対象となる
出世していない人は、会社の業績が悪化すると、真っ先にリストラの対象となります。
年功序列が崩壊しつつあるとはいえ、中高年の平社員の方が20代の社員よりも給与が高い傾向があります。
なので、中高年の平社員がリストラのターゲットとされやすいでしょう。
給与が高い割に最低限の仕事しかしていない中高年社員と、若手の社員を比べると、将来性を期待できるのは若手社員の方です。
40~50歳になって大したスキルもない人を雇ってくれる会社は介護職くらいでしょう。
後悔しても後の祭りです。
やりたくない職種に配置転換される
リストラの対象にならなかったとしても、次のような配置転換の対象となることはあり得ます。
追い出し部屋
狭い部屋に50人以上の社員が押し込められる。デスクもないし、パソコンは共用。中には部長クラスの社員もいて、屈辱以外の何物でもないだろう。「百貨店の雄」の迷走はまだまだ続く。
出典:講談社
こういった事例はごく一部と思わず、実際に起こりうることとして捉えておく必要があります。
企業も切羽詰まった状況では、社員に対して優しく接することは不可能です。
介護会社への異動
損保ジャパン4000人削減「介護へ転属」の深層と、この社会のバグ
損害保険ジャパン日本興亜が2020年度末までに、従業員数を17年度比で4000人程度減らす方針であることが24日、分かった。全体の約15%に相当する。ÎTを活用し、業務の効率化を進める。余った従業員は介護などを手掛けるグループ企業に配置転換し、新卒採用も抑える。希望退職者の募集は予定していない
出典:講談社
損保ジャパンが人員の配置転換を行い、そこで介護職への転属をしたといったニュースがありました。
介護職は誰にでもできる仕事ではないですが、直前の仕事と何の関係もない場合は、この配置転換を受け入れがたい人も居るでしょう。
これは現代におけるリストラの成功例と思われるため、大企業はこぞってこの方法を採用していくかもしれません。
生き残り戦略
出世したくてもさまざまな理由から、出世できない人も居ると思います。
そんな人が生き残るためには何をしていくべきなのかを考えていきましょう。
会社で特殊なポジションに身を置く
「出世しない人」は会社で特殊なポジションに身を置く必要があります。特殊とは、普通とは異なる仕事や能力ということです。
例えば、
- 会社の会計システムに精通している
- 会社のネットワークシステムを構築し、その知識がある
- 幅広いクライアントとの人脈がある
のように、オンリーワンの知識や技術を身に着けておけば、リストラの対象となりにくくなるはずです。
会社以外の収入源を作る
会社にしがみつかない生き方をするには、会社以外の収入源を確保する必要があります。
とはいえ、副業って何をすればいいのかわかりませんよね。
そんな人は、プログラミングの勉強をしてみることをおススメします。
プログラミングスクールでは「副業を応援するコース」も新設されており、スキルに直結しやすい技術が手に入りますし、本業にもつながる知識が手に入ることがあります。
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まとめ
出世したくないという人は、「甘い」考えを持っていると言わざるを得ません。
自分一人でマイペースに仕事をしていたいのならば、会社員にならずにフリーランスとして働くべきだからです。
自分の腕一本で食べていくことができないのであれば、組織の事情を勘案していく必要があります。
いずれにせよ、我々の世代は高度経済成長期とは異なり、生きていくのも非常に厳しい世界です。
自分のスキルを磨きながら、チャンスを生かしていきましょう。