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「お前もいつか、ぜったい禿げる!」36歳の僕が、フサフサなのにAGAクリニックの門を叩いた話

2025年7月28日

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それは、他人事だと信じていた

「髪、多いですよね。いつもすくのが大変なくらいですよ」

行きつけの美容師にそう言われるたび、僕は心のどこかで安堵していた。薄毛。ハゲ。それは、遺伝子という名のロシアンルーレットで、幸運にも弾が装填されていなかった者だけが享受できる、平穏な未来。僕は、その勝者の一人なのだと。

だから、僕が2年前、36歳の時に、ふと「湘南美容外科クリニック」のドアを叩いたのは、切実な悩みからではなかった。それは、もっと知的な好奇心に近いものだった。「僕の未来の頭髪は、どうなる運命なのか?」——その答えを、ただ、知りたかったのだ。

僕は、まだ知らなかった。その好奇心が、僕を絶望の淵に突き落とし、そして、僕の人生観を根底から変えることになるなどとは。

これは、僕が受けた「死刑宣告」と、そこから始まった、ささやかで、しかし極めて重要な「未来への投資」についての、一切の忖度なき記録である。


第一章:診察室で下された「死刑宣告」

クリニックでの手順は、淡々と進んだ。問診、血液検査、そして、頭部の写真撮影。最後に、マイクロスコープで、僕の頭皮がモニターに大写しにされる。

「ああ、やっぱり毛穴、詰まってるなあ…」

そんな他人事のような感想を抱いていた僕に、医師は、静かに、しかし残酷な事実を告げた。

「あー…、進行、してますね。生え際が、ステージⅠからⅡに移行している段階です」

ステージⅠ? Ⅱ? 言葉の意味を瞬時に理解できなかった僕に、医師は画像を見せながら説明を続けた。僕が気にしていたのは、父と同じように薄くなるかもしれない「頭頂部」だった。しかし、僕が気づいていなかっただけで、前髪を下ろしたその下では、M字ハゲが、静かに、しかし着実に、その領土を広げ始めていたのだ。

症状
I型おでこ(額)の生え際が徐々に後退し、薄毛が見られる。
II型I型が進行し、額の生え際が後退・剃り込みが段々と深くなる。
III型II型が更に進行し、額の生え際が切れ込むように深くなる。頭頂部には毛が残っている。
IV型III型が進行し額の生え際が大きく後退、頭頂部は薄毛が残る程度になる。
V型IV型が進行し頭頂部の進行と合わせ、つむじ回りの薄毛が広がる。
VI型額の生え際から頭頂部まで症状が進行、AGAが進行しにくい横側との差が大きくなる。
VII型AGAが進行しきった状態、おでこから頭頂部、後頭部にかけて毛が無くなる。
IIa型I型が進行、M字の剃り込みだけでなく、額の中心も後退し始める。
IIIa型IIa型が更に進行し、おでこから頭頂部にかけて薄毛が広がる。
IVa型IIIa型が進行し、耳から前の前頭部は全体的に薄毛になる。
Va型IVa型が進行し、だんだんと後頭部にも薄毛が広がるようになる。
II Vertex型I型で額の剃り込みが進行することに合わせ、頭頂部にも薄毛が見られ始める。
III Vertex型II Vertex型が進行し、額の剃り込みと頭頂部の薄毛が顕著にみられる。
引用元:湘南美容外科クリニック

頭を、鈍器で殴られたような衝撃。 「毛量が多い」という美容師の言葉は、ただの慰めだったのか? いや、彼も気づいていなかったのかもしれない。僕自身が、毎日鏡を見ている僕自身が、全く気づいていなかったのだから。

その日、僕は、自分もまた、抗いがたい遺伝と老化の法則の中にいる、ただの哀れな一人であることを、骨の髄まで思い知らされた。僕の平穏な未来は、音を立てて崩れ去った。


第二章:植毛か、薬か - 僕が本当に求めていたもの

宣告後の僕を待っていたのは、怒涛の治療プラン説明だった。

「AGA治療は、初期段階で始めることが、何よりも重要です」

まあ、彼らのポジショントークだろう。しかし、無料でここまで精密な検査をしてもらった手前、「そうですか、じゃあ帰ります」とは、とても言えない。居心地の悪い沈黙の中、担当の看護師は、様々な選択肢を提示してくる。

高額な植毛プラン。頭皮に直接成分を注入するメソセラピー。そして、内服薬と外用薬の組み合わせ。

混乱する頭で、僕は必死に考えた。「僕は、一体どうなりたいんだ?」と。

20代の頃のような、フサフサの髪を取り戻したいのか? 否、違う。 僕は、年相応に、しかし、みっともなくハゲ散らかすことなく、他人に「清潔感」を与えられる範囲で、穏やかに老いていきたいだけなのだ。

失われた若さを追い求める、痛々しいアンチエイジングではない。来るべき未来を、少しでもマシな形に整えるための、現実的なメンテナンス。僕が求めているのは、それだけだった。

「完全に若い人と同じ土俵には立てない。ある程度で、良いんです」

僕は、その思いを正直に伝えた。そして、渋りに渋った末、最終的に、内服薬の「フィナステリド」「ミノキシジル」、そして、頭皮にミノキシジルを高圧で噴射する「ジェットメソ」という、比較的安価なプランを契約することにした。総額、約5万円。未来の自分への、ささやかな「お布施」だった。


第三章:僕の2年間の人体実験 - 効果、副作用、そして最適化

クリニックでの治療は、効果はあった。しかし、毎月通い、薬を処方してもらうのは、正直、割高だ。

そこで僕は、さらなる合理化へと舵を切る。インターネットの個人輸入代行サイト「お薬なび」で、同じ成分の内服薬を、遥かに安価に手に入れることにしたのだ。もちろん、これは自己責任の世界だ。だから、年に一度の健康診断は欠かさず、肝機能などに異常がないかを、常にチェックしている。幸い、今のところ、僕の身体に異常はない。

https://okusurinavi.shop/detail.php?pid=609

個人輸入代行サイト「お薬なび」で初めて購入する際は、紹介コード「79qzs3」を利用していただくと、500ポイントがプレゼントされます。

そして、2年間、薬を飲み続けた結果は、どうだったか。

効果は、明確にある。 生え際の進行は止まり、むしろ、産毛が増え、髪全体にハリとコシが戻ってきた。これは、プラセボではない、確かな手応えだ。

しかし、代償もある。それは、全身のムダ毛という、招かれざる客だ。 ミノキシジルの血行促進効果は、頭髪だけでなく、全身の毛根を元気にしてしまうらしい。鼻毛の伸びるスピードは、明らかに速くなった。腕の毛も、心なしか濃くなった気がする。その結果、腕毛を剃る頻度は上がったが、これも、未来の頭髪と引き換えなら、受け入れるしかない「必要悪」だと、僕は諦めている。


宣告は、今受けるか、未来で受けるか

もし、あなたが今、僕と同じように、鏡を見るたび、あるいは枕についた抜け毛を見るたびに、小さな不安を感じているのなら。 僕は、声を大にして言いたい。今すぐ、AGAクリニックのドアを叩け、と。

恥ずかしい? いや、違う。 自分の身体の状態を、客観的なデータで知ることは、極めて知的で、誠実な行為だ。誰にも言いふらす必要などない。これは、あなたと、未来のあなた自身との、静かな対話なのだから。

クリニックの「今すぐ治療を」というポジショントークに、乗る必要はない。 しかし、彼らが言うことにも、一つだけ、揺るぎない真実がある。

「禿げてからでは、遅いのだ」

あなたが今日下されるかもしれない「死刑宣告」は、いずれにせよ、5年後か10年後に、もっと残酷な形で下される宣告だ。違いは、今ならまだ、対策を講じる「時間」があるということ。未来では、もはや進行を止めることしかできないかもしれないのだ。

僕たちは、いつか必ず老いる。そして、多くの男は、程度の差こそあれ、薄毛という現実と向き合うことになる。

しかし、その現実を、ただ嘆き、受け入れるのか。 それとも、科学の力を借りて、賢く、そして潔く抗うのか。

未来の自分が、鏡の前で、少しでも自信を持って微笑めるように。 そのための行動を、今日、ここから始めようじゃないか。

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