勤務先の持株会、入っている人も多いと思います。
「奨励金が出るから」「勧誘されたから」というきっかけで入会している方はぜひご覧になってください。
結論としては、持株会は手綱を会社に預けて生きるもので、非常にリスクが高いため、入らない事が正しいです。
なぜそう思うのかについて解説していきます。
持株会のメリット・デメリット
持株会のメリット・デメリットについて整理します。
持株会のメリット
奨励金がある
大きなメリットとなるのが、自社株を購入する際に支給される「奨励金」です。
これにつられて入会する人も多く、私が所属している会社の場合は8%あります。
10,000円分購入すると、800円分貰えるわけなので魅力的に映ります。
配当金を得られる
奨励金に加えて配当金も受け取れるため、株価が右肩上がりなのであればこれ以上ない制度だと思います。
右肩上がりなのであれば・・・ですが。
少額から株式を買える
少額から株を購入できる点もメリットの一つです。
100株単位(1単元)での取引が原則なので、手元に大きい金額が無くても購入することが出来ます。
持株会のデメリット
持株会のメリットは以下の2点です。
- 規約に則った手続きが必要となるため、すぐに売却できない
- 収入を得るところと株式資産の投資先が同一である
資金が固定されてしまうことや収入元と投資先を一箇所に集中させるリスクがあります。
奨励金制度は嬉しいかもしれませんが、、持株会はゼロもしくは少数口数で十分です。
「自社株の積立」と聞くと敷居が低く感じるね。
投資に対して抵抗がある人でも、持株会ならば始めやすい。
会社への依存度が高くなる
会社の業績が落ちた場合、株価も下落する可能性が高くなるため、保有資産が目減りします。
また、業績悪化により給与や賞与が下がる可能性も出てきます。
上場企業の場合はなかなか想定しづらいですが、会社が倒産して収入と資産の両方を失う可能性もあります。
分散投資という原則にのっとると、持株会は極度の集中投資と言える状況です。
株主優待はもらえない
株主優待は受けられません。
優待が無い会社もあるので、一概には言えませんが、個人名義で株式を購入しているのではなく、持株会名義で購入していることが理由です。
すぐに売却できない
売却をするには取締役会の承認が必要であったり、口数・休会手続きは所定の時期のみしか受け付けてくれなかったりと、現金化したいときにできないという事を理解しておく必要があります。
また、会社によりますが、書類を書いたり、持株会の担当者と連絡を取り合ったりという手間も生じます。
貯金という名目なのであれば問題はないですが、資金が固定化されてしまうというのはリスクと言えるでしょう。
自社への投資は労働力で十分
持株会にはデメリットばかりではなく、確かにメリットもあります。
ベンチャー企業のIPOのフェーズでは、多額の株価上昇の恩恵を受ける人も居ますが、そんな人はごく少数でしょう。
しかし、旧来の日本企業のような持株会ならば、他の投資対象に投資した方が利回りが良い可能性大です。
集中投資をしたいのであれば、止めはしませんが非常にリスクが高い選択肢だと思います。
会社は労働力を投資している場所です。自分の資産を預ける場所ではないのです。
NISA口座でオルカンなどの投資対象の方がよっぽど有意義な投資ができると思います。
くれぐれも会社の甘い誘い文句に騙されないようにしてください。