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なぜ、あなたは“負けている株”を切れず、“勝っている株”をすぐに売ってしまうのか?- プロスペクト理論という、脳の“罠”

2025年9月3日

その“決断”、本当に、君の“意思”ですか?

君の、ポートフォリオを、思い浮かべてほしい。 そこには、二つの、銘柄がある。

  • 銘柄A: 順調に、含み益が、20%出ている。
  • 銘柄B: 無残にも、含み損が、50%に達している。

今、君は、現金が、必要になった。 さあ、どちらの株を、売るだろうか?

おそらく、君の脳は、ほぼ、脊髄反射で、こう、叫んでいるはずだ。 「銘柄Aを、売れ! 早く、その“利益”を、確定させるんだ!」 「銘柄Bは、ダメだ。今、売ったら“損失”が、確定してしまう。もう少し、待てば、いつか、戻るかもしれない…」

もし、君が、そう考えたのだとしたら。 おめでとう。君は、ノーベル経済学賞を受賞した、天才心理学者たちが、何十年も前に、発見した、人類共通の、あまりにも、愚かで、そして、強力な「思考の“罠”」に、完璧に、ハマっている。

この記事は、そんな僕たちが、いかにして、自らの「脳」に、騙され、資産を失っていくのか。その、恐るべきメカニズムを、解き明かし、その、根源的な“バグ”から、僕たちの、大切な資産を、守り抜くための、具体的な「思考法」についての、全記録である。

君の“脳”を支配する、最強の“バグ” -「プロスペクト理論」

引用:「ツギノジダイ」プロスペクト理論とは 損失回避の原則を簡単に解説 ビジネスの応用例も

なぜ、僕たちは、かくも、非合理な判断を、下してしまうのか。 その、すべての元凶。それが、行動経済学の、核心をなす「プロスペクト理論」という、僕たちの脳に、生まれながらにして、インストールされている、強力な“バグ”だ。

① 僕たちは、「利益」より、「損失」を、2倍以上、“重く”感じる

この理論の、第一の柱。それが「損失回避性」だ。 これは、「1万円を、手に入れる喜び」よりも、「1万円を、失う痛み」の方が、僕たちの心に、2倍以上も、強く、響いてしまう、という、性質である。

この、非対称な「痛み」こそが、僕たちの、合理的な判断を、狂わせる。

  • 利益が出ている株(銘柄A)を、すぐに、売りたくなるのは、なぜか。 それは、「この、せっかく手に入れた利益が、明日には、消えてしまうかもしれない」という、未来の“損失の痛み”を、避けるためだ。僕たちは、将来の、より大きな利益の「可能性」よりも、今、目の前にある、小さな利益を、失う「痛み」の方を、重く、見てしまう。
  • 損失が出ている株(銘柄B)を、切れずに、持ち続けてしまうのは、なぜか。 それは、「売り」ボタンを、クリックした瞬間に、「損失」という、耐えがたい“痛み”が、現実のものとして、確定してしまうからだ。僕たちは、その、確定的な痛みから、逃れるために、「いつか、戻るかもしれない」という、根拠のない「希望」に、すがりついてしまう。

君の“脳”に、潜む、その他の“危険なバグ”たち

そして、僕たちの、投資判断を、狂わせる“バグ”は、これだけではない。

②「サンクコストバイアス」-“もったいない”という、呪い

「ここまで、時間と、お金を、つぎ込んできたんだ。今さら、やめられない」 過去に、投下した、回収不可能なコスト(サンクコスト)に、僕たちの、未来の判断が、縛り付けられてしまう、という罠だ。 その銘柄の、将来性とは、一切、関係なく、「もったいない」という、ただ、その感情だけで、僕たちは、沈みゆく船と、共に、沈んでいく。

③「確証バイアス」-“見たいもの”しか、見えなくなる、病

一度、「この銘柄は、上がるはずだ」と、信じてしまうと。 僕たちの脳は、その仮説を、肯定する情報ばかりを、無意識に、集め始め、それに、反する、不都合な情報は、無視するようになる。 僕たちは、真実を、探しているのではない。自らの、判断が「正しかった」と、思わせてくれる、“安心材料”を、探しているだけなのだ。

僕が、僕自身を“信用しない”ために、実践していること

では、どうすれば、この、あまりにも、強力で、厄介な、僕自身の「脳」という名の“敵”と、戦うことができるのか。

僕が、たどり着いた、結論。 それは、「そもそも、自分の“直感”や“感情”を、一切、信用しない」という、身も蓋もない、諦めの境地だ。 そして、その、間違いを犯す、可能性のある自分を、コントロールするための、感情を、排した「システム」を、あらかじめ、構築しておくことだ。

僕が、自らに課している、具体的な「投資の、ルール」を、共有しよう。

①「機械的な、売買ルール」を、設定し、絶対に、破らない

まず、株を、買う前に、必ず、その「出口」を、決めておく。

  • 損切りルール: 「購入価格から、15%下落したら、いかなる理由があろうとも、機械的に、売る」
  • 利益確定ルール: 「購入価格から、30%上昇したら、半分だけ、利益を確定する」

このように、あらかじめ、ルールを、言語化し、設定しておくことで、いざ、その局面に、直面した時、僕たちの脳に、感情が、入り込む“余地”を、なくしてしまうのだ。 君が、やるべきは、悩むことではない。ただ、自分で作った、ルールを、実行するだけだ。

②「悪魔の代弁人」を、心の中に、飼う

次に、何か、新しい銘柄に、投資したいと、思った時。 僕は、その銘柄の「良い点」を、調べることに、時間を使わない。 むしろ、その、3倍の時間を、「その銘柄に、投資すべきではない、理由」を、探すことに、費やす。

僕は、心の中に、「悪魔の代弁人(Devil's Advocate)」を、飼っているのだ。 その、悪魔が、提示する、あらゆる、ネガティブな情報を、すべて、論破し、それでもなお、「この投資は、正しい」と、確信できた時に、初めて、僕は、買いのボタンを、押す。 これは、「確証バイアス」に対する、最も、強力な、ワクチンだ。

③ 究極の、解決策 -“自動化”し、そして“忘れる”

そして、僕たち、凡人にとって、おそらく、これが、究極の、そして、最強の解決策だ。 それは、そもそも「個別株」という、僕たちの、認知バイアスが、最も、暴走しやすい“戦場”で、戦わないということだ。

僕が、資産の、中核に、据えているのは、「インデックス投資」の、自動積立だ。 このシステムは、僕の、あらゆる、感情的な、判断を、完全に、排除してくれる。 市場が、暴落し、僕が、恐怖に、震えている時も、僕のシステムは、淡々と、割安になった、資産を、買い増し続けてくれる。

最高の、投資システムとは、僕という、最も、不合理な“リスク要因”を、その、意思決定のプロセスから、完全に、排除したシステムなのである。

結論:君が、本当に“戦うべき”相手は、誰か

投資における、最大の敵は、市場の、不確実性ではない。 それは、君の、鏡の前に、映る、その男だ。

優れた、投資家になる、ということは、より、賢くなることではない。 それは、自分自身の、どうしようもない「不合理さ」と、「愚かさ」を、深く、自覚し、その、間違いを犯す、自分自身を、いかにして、賢く、飼いならすかという、終わりのない、自分探しの旅なのだ。

さあ、市場を、出し抜こうと、する前に。 まず、君自身の「脳の、バグ」を、出し抜くことから、始めようではないか。 それこそが、合理的で、そして、最終的に、成功する、投資家への、唯一の、道なのだから。

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