
ゴールテープを切った瞬間に、始まる“虚無”
「新NISAの、非課税保有限度額1800万円を、最速で埋める」
この、あまりにも明快で、力強いスローガンは、僕たち、日本の個人投資家にとって、一つの、巨大な「ゴール」となった。 僕もまた、そのゴールを目指し、給与所得の、その大半を、投資という名の、祭壇に、捧げ続けてきた一人だ。
そして、今。 その、長かった旅路の、終わりが、ようやく、見えてきた。
しかし、僕の心を、満たしたのは、達成感という名の、華やかなファンファーレではなかった。 むしろ、その逆だ。 僕の心を、支配し始めたのは、「あれ…? で、この後は、何をすればいいんだ?」という、広大で、そして、少しだけ、恐ろしい“虚無感”だった。
この記事は、そんな、僕と同じように、新NISAという、最初の“クエスト”を、クリアし、あるいは、クリアしようとしている、すべての投資家たちに、捧げるものである。
なぜ、僕たちは、成功したはずなのに、道に迷ってしまうのか。 そして、僕が、なぜ、「NISAを埋めるのは、ゴールではなく、壮大な物語の“始まり”に過ぎない」と、断言するのか。 その、僕がたどり着いた、資産形成の「次のステージ」についての、思考の全記録である。
NISAは「ゴール」ではない。「最強の装備」を手に入れるための、ボーナスステージだ
まず、僕たちが、根本的に、その“認識”を、改めなければならないこと。 それは、新NISAとは、資産形成という、人生を賭けた、壮大なRPGにおける、ゴールではない、ということだ。
新NISAとは、国が、僕たちに与えてくれた、「獲得した経験値と、アイテムが、一切、税金で、没収されない」という、奇跡の“ボーナスステージ”なのである。 このステージの、唯一の目的。 それは、来るべき、本編の、過酷な冒険に備え、「最強の、伝説の武具」を、手に入れることだ。
1800万円という、非課税の鎧。 それは、僕たちの資産を、未来永劫、税金という名の、攻撃から、守り続けてくれる、最強の“装備”だ。
そして、その、最強の装備を、手に入れた君は、もはや、駆け出しの、冒険者ではない。 君は、いよいよ、この、資本主義という名の、広大な“オープンワールド”を、本格的に、攻略していくための、スタートラインに、立ったのだ。
次なる戦場 -「課税口座」という名の、メインクエスト
では、最強の装備を、手に入れた僕たちが、次に向かうべき、戦場は、どこか。 それが、「特定口座」、すなわち「課税口座」という名の、メインクエストである。
「え…? でも、課税されるんでしょ?」 「せっかく、非課税の恩恵を受けてきたのに、また、税金を払うなんて、損した気分だ」
その、気持ちは、痛いほどわかる。 しかし、その、あまりにも、素人的な“感情”こそが、君の資産を、天井に、張り付かせ、それ以上の、成長を、妨げる、最大の“壁”なのだ。
僕が、今、僕自身の、4000万円を超える資産の、その半分以上を、この「課税口座」で、運用し続けている、極めて、合理的な理由を、説明しよう。
①「税金を、払える」という、圧倒的な“喜び”
君が、課税口座での、利益に対して、支払う、約20%の税金。 それは、君が、「勝った」ことの、何よりの証明だ。 それは、君が、「利益を、出した」からこそ、発生する、“成功への、対価”なのである。 この、あまりにも、当たり前で、しかし、本質的な事実に、まず、気づかなければならない。
②“ゼロ”より、遥かにマシな“80”という、数学的な“真実”
そして、これが、すべてだ。 「税金を、引かれるくらいなら、銀行預金に、置いておいた方がマシだ」 これは、完全に、間違っている。
君の、銀行預金の、期待リターンは、ほぼ、0%だ。インフレを、考慮すれば、むしろ、マイナスだ。 一方で、インデックス投資の、期待リターンは、控えめに見ても、年率5%。 そこから、20%の税金を、引かれたとしても、君の、手元に残る、税引き後のリターンは、4%だ。
「0%」と、「4%」。 君は、どちらを、選ぶのか。 この、小学生でも、わかる、シンプルな“算数”を、感情論で、見誤っては、ならない。
僕たちは、最大のリターンを、非課税で得る、という「ボーナスステージ」を、終えたのだ。 これからは、得られたリターンの中から、当然の、税金を納めながら、それでも、なお、着実に、資産を、拡大させていく、という「本編のゲーム」へと、進むのだ。
忘れてはならない“サイドクエスト” - 最強の“節税アイテム”、「iDeCo」
そして、この、課税口座という、メインクエストと、並行して、絶対に、忘れてはならないのが、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」という名の、重要な“サイドクエスト”だ。
iDeCoは、新NISAと同様に、運用益が、非課税になる。 しかし、その、真に、強力な点は、そこではない。 iDeCoの、最強の“魔法”。それは、掛け金そのものが、「全額、所得控除」の対象になる、ということだ。
これは、君の、毎年の「所得税」と「住民税」を、直接的に、安くしてくれる、究極の“節税アイテム”なのである。
「60歳まで、引き出せない」という、制約。 それは、デメリットではない。“機能”だ。 目先の、欲望に、負けやすい、僕たち、人間の、弱い心から、未来の、老後資産を、強制的に、守ってくれる、最強の「タイムロック機能」なのである。
結論:君は、もはや“積立投資家”ではない。“資産家”なのだ
新NISAの、非課税枠を、埋め終えた君。 君は、もはや、ただ、毎月、言われた通りに、お金を、積み立てるだけの「兵士」ではない。 君は、自らの、巨大な資産を、どう、配分し、どう、成長させていくかを、自らの頭で、考え、決断する「司令官」へと、昇格したのだ。
- NISAという、「非課税の、絶対防衛ライン」を、固めつつ、
- iDeCoという、「節税の、特殊部隊」を、活用し、
- そして、課税口座という、「主戦場」で、さらに、資産の、拡大を、目指す。
「積み立てる」という、思考停止の、心地よい、フェーズは、終わった。 これからは、君自身の「人生の、目標」と、向き合い、その、目標を、達成するために、君の資産という名の“軍団”を、どう、采配していくか。 その、より、高度で、そして、遥かに、面白い「戦略」の、ゲームが、始まるのだ。
絶望するには、まだ、早い。 君の、本当の「資産形成」の旅は、今、まさに、始まったばかりなのだから。