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【投資が「怖い」のは、当たり前】投資しないヤツはずっと貧乏人

2025年8月9日

なぜ、あなたの「投資の不安」は、一生消えないのか

「資産運用を始めたい。でも、怖い」 「投資を始めたはいいが、このままで本当に大丈夫なのか、不安で仕方がない」

僕は、これまで幾度となく、そんな声を聞いてきた。そして、その度に、心の中で深く頷いている。 その「恐怖」や「不安」は、あまりにも正常で、あまりにも人間的な、当たり前の感情だからだ。

考えてみてほしい。 僕たちは、自らの労働で得た、かけがえのない「お金」という名の、人生の一部を、誰にも予測できない「未来」という名の、暗闇の海に、投げ込もうとしているのだ。 怖いと感じない方が、どうかしている。

この記事は、「その恐怖を取り除いてあげよう」という、優しい慰めの話ではない。 なぜなら、断言するが、その恐怖は、一生、消えることはないからだ。

そうではなく、これは、その消えることのない恐怖と、どう向き合い、どう飼いならし、そして、どうやって、それを未来の“資産”へと転換していくかについての、極めて現実的で、実践的な「思考法」の話である。

大手金融機関が、あなたの“不安”を煽る、不都合な真実

「資産運用 不安」と検索すれば、大手金融機関や証券会社の、小綺麗なウェブサイトが、これでもかと表示される。そこには、決まってこう書かれている。

「専門家が、あなたの不安に寄り添います」 「分散投資や、長期積立で、リスクをコントロールしましょう」

書かれていることは、一つひとつは、正しい。しかし、それらの記事を読めば読むほど、僕たちの不安は、なぜか解消されない。むしろ、「なんだかよく分からない」「自分には、まだ早いのかもしれない」という、漠然とした無力感に、苛まれるだけだ。

なぜか? それは、彼らが、無意識のうちに「投資とは、すべてを理解し、完璧な知識を身につけてから始めるべきものだ」という、壮大な“幻想”を、僕たちに植え付けているからだ。

しかし、これは、根本的な間違いだ。 未来が誰にも予測できない以上、投資の世界に「完璧な知識」など、存在しない。 すべてを理解してから始めよう、などと考えていれば、僕たちの人生は、あっという間に終わってしまう。

その「分からなさ」こそが、僕たちの不安の正体であり、そして、僕たちが最初の一歩を踏み出す上で、乗り越えなければならない、最初の壁なのだ。

不確実な世界で、僕たちが信じられる“たった一つ”の真実

では、未来が不確実で、完璧な知識も存在しない中で、僕たちは、一体何を信じればいいのか。

僕が、この暗闇の海を航海する上で、唯一、羅針盤として信じているものがある。 それは、**「時間」**という、宇宙の法則そのものだ。

僕たちは、特定の企業の未来や、来年の株価を予測することはできない。 しかし、歴史を振り返れば、人類は、戦争や恐慌といった、幾多の危機を乗り越え、長期的には、常に経済を成長させ、世界を豊かにしてきた。 この「人類の、長期間における、右肩上がりの成長」に賭けること。そして、その成長の果実を、「複利」という、アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ魔法によって、雪だるま式に大きくしていくこと。

これこそが、僕たち凡人が、この不確実な世界で、唯一信じるに足る、真実なのだ。 僕たちは、未来を「予測」するのではない。ただ、人類の持つたくましさと、「時間」という、最強の味方を、信じるのだ。

「怖いまま、始める」ための、3つの戦略的ステップ

「理屈はわかった。しかし、それでも、やはり怖い」 その感情は、正しい。では、その恐怖を、どうやって乗り越え、具体的な「一歩」へと変えればいいのか。 意志の力や、勇気に頼ってはいけない。僕たちが頼るべきは、**感情を排除した「仕組み(システム)」**だ。

① 恐怖を「測定可能」にする - 致命傷にならない金額で、始めよ

僕が、最初に株式投資を始めた時の金額は、たったの20万円だった。 なぜ、20万円だったのか。それは、当時の僕にとって、「たとえ、このお金がゼロになっても、僕の人生は終わらない。一ヶ月、死ぬ気で働けば、取り返せる」と思える、“許容可能な失敗”の金額だったからだ。

最初の一歩は、金持ちになるためにあるのではない。 それは、「自分の資産が、市場の波に揺られるという“感覚”を、身をもって知る」ための、極めて安価な“授業料”なのだ。 まずは、あなたにとっての「致命傷にならない金額」を、冷静に算出し、その範囲で、このゲームに参加してみる。

② 勇気を「不要」にする - すべてを“自動化”せよ

一度ゲームに参加したら、あとは、あなたの「勇気」や「判断」が、一切不要になる仕組みを作らなければならない。 なぜなら、僕たちの心は、市場の熱狂や、暴落の恐怖に、いとも簡単に、負けてしまうからだ。

給料が振り込まれたら、その翌日にでも、証券口座から、あらかじめ設定した金額が、自動で引き落とされ、投資信託が買い付けられる。 その「自動積立(ドルコスト平均法)」の設定さえしてしまえば、あとは、もう何もしなくていい。

給料天引きで引かれる税金のように、そのお金は、あなたにとって「最初から、なかったもの」になる。感情が入り込む隙間を、仕組みによって、完全に塞いでしまうのだ。

③ 興味を「なくす」 - 投資していることを、“忘れよ”

そして、これが最も重要なことかもしれない。 それは、**投資していることを、できる限り「忘れる」**ということだ。

毎日のように、証券口座の残高をチェックしてはいけない。 日々の株価の上下に、一喜一憂してはいけない。 それは、種を植えた畑を、毎日掘り返して、芽が出ているかを確認するような、愚かな行為だ。

僕たちが信じたのは、「時間」という、ゆっくりと、しかし偉大な力だったはずだ。 ならば、僕たちがすべきことは、ただ一つ。 毎日、やるべき仕事に集中し、家族と笑い、趣味に没頭し、そして、投資のことなど、忘れてしまうことだ。

結論:恐怖は、消えない。だから、共に行こう。

僕が、20万円から始めた投資は、今、4,000万円を超えた。 しかし、僕の中から、投資への恐怖が、完全になくなったかと言えば、答えは「NO」だ。 資産が大きくなればなるほど、市場の変動がもたらす金額の振れ幅もまた、大きくなる。恐怖は、形を変えて、常に僕の隣にいる。

だが、それでいいのだ。 恐怖は、僕たちが、未知の領域に挑戦している、何よりの証拠だからだ。

大切なのは、恐怖がなくなる日を、待つことではない。 大切なのは、その恐怖と共に、それでも、今日、小さな一歩を、踏み出すことだ。

怖いまま、始めよう。 怖いまま、続けよう。

その、震える足で踏み出した一歩の先にしか、僕たちが望む、自由な未来は、待っていないのだから。

-NISA