本業だけじゃなく、副業せなあかんって日本人は辛いな。
でも、今の生活レベルを維持したいんなら、副業せなあかんで。
あちこちで「副業」の文字が溢れかえり、「ラクして稼げる」といった妙な広告も増えてきました。
確かに、ネット上で完結する仕事も多く、何らかの技術や特技があれば、空いた時間に仕事ができる環境が整いつつあります。
そして、コロナ禍を契機に「会社に依存しない働き方」を模索する動きが増え、実際に副業への関心が高まっている時期でもあります。
そこで今回は、「副業でお金を稼ぐ前に意識すべきこと」をご紹介していきます。
副業を始める前に意識すべきこと
「副業=稼げる=お小遣いが増える」と考えがちですが、冷静になって副業という概念をとらえる必要があります。
会社側の視点
会社側も副業を解禁するような動きが出てきていますが、これには会社側にとってもメリットがあるためです。
社員が副業をすることによって新しいスキルや知識を手に入れ、それを本業で活かしたり、イノベーションをもたらすことを期待している面もあります。
しかし、本質は会社が終身雇用制で社員を守り続けることができないため、社員が空いた時間でお金を稼げるようにするという考え方にシフトしています。
ANAの事例
全日本空輸(ANA)は従業員の副業範囲を広げ、勤務時間以外にほかの会社とも雇用契約を結べるようにする方針を固めた。パイロットや客室乗務員を含む全従業員1万5000人を対象とする。新型コロナウイルスまん延による業績悪化をうけ、一般社員の年収は3割減る見通し。副業制度を見直し、従業員がANA以外からも収入を得やすくする。
出典:日本経済新聞 ANA、副業を拡大へ 他社と雇用契約可能に
どの企業もコロナ禍での打撃で人件費の負担がしきれない状態なのです。
ホンダの事例
ホンダが55歳以上の社員に対し早期退職を募ったら、1000人規模で考えていたのに2000人も申し出があったそうな。ホンダといえば「明るいニュース」や「ワクワクするような話題」こそ少ないものの、業績は決して悪くない。直近を見てもアメリカでの販売が大幅に回復しており不安材料無し。なぜ早期退職を募り、大量の希望者になったのか?
出典:ENGINE 早期退職制度に2000人が殺到したホンダの舞台裏
また、この人手不足の時代に大企業でも早期退職制度が導入されている事例がたくさん出てきています。
これまでの、終身雇用、年功序列の維持の難しさを表している最たる例でしょう。
労働者側の視点
まず大前提として、副業をすれば稼げるといった甘い思考は捨ててください。
今では、クラウドソーシングなどでいくらでも仕事が受注できますが、雇用契約があるわけではないことに注意しておく必要があります。
つまり、受注できたとしても成果が悪ければ、次の仕事はないということです。
また、副業の場合、個人としてすでに実績がある人に仕事や依頼が殺到します。
初めて副業を開始するときは単価の安い仕事を何件もこなすような努力をしなければならない場合もあります。
あなたに他者から「買ってもらえる明確なスキル」が身についていない場合、副業は困難を極めるでしょう。
だからこそ、明確なスキルがなくても簡単に稼げる「パパ活」なるものが流行っているのです。
女性の副業で大人気のパパ活とは?
パパ活とはパトロン(支援してくれる人)と一緒に時間を過ごしたり、相手の要望に答えたりすることで対価や何かしらの支援を受けるために行う活動のことです。基本的には男性と一緒に食事や買い物や旅行といったごく当たり前のデートを楽しんで、その対価としてお金をもらうという流れになります。
出典:コレシル パパ活は女性の副業で大人気?始める前に知っておきたいこと
副業を始める前に目的を再確認する
あなたにとって、副業を始める目的は何でしょうか?
現有能力の切り売りなのか、将来への自己投資なのかを明確にしておくべきです。
現有能力の切り売り(既存能力の活用)
例えば、「ITスキルが高い人が、Webサイトの制作を受注して副業する」といったやり方は、現有能力を現金化する副業と言えるでしょう。
また、「英語が堪能な人が、翻訳作業を受注する」といった働き方も同様です。
このように、既に持っている能力を活用して副業で活かすのであれば、それはアウトプット中心の副業となります。
もちろん、副業をしていく中で勉強したりするインプットの時間もあり、能力開発につながる可能性はありますが、今ある能力をどう活かすかを考えた副業の進め方です。
将来への自己投資(新規ビジネス開拓)
対して、報酬は薄くても、将来取り組んでみたいこと、今の会社ではチャレンジできないことを始めるための副業は、将来への自己投資といった見方もできます。
これは、インプットのための副業です。
たとえば、「プログラミングを学びながら簡単な仕事を受注したり、NPO法人で今までにやったことのない仕事にチャレンジしてみる」といった働き方です。
また、人脈のある人であれば、友人が起業した際にサポートを頼まれる場合もあるかもしれません。
このように、将来を切り開くための学びの場として副業を活用していく考え方です。
いずれの方法を選択するにせよ、しっかりと顧客の満足度につながる仕事をしなければ次はありません。
変な業者や広告には要注意
ただし、「楽に稼げるといった」妙な業者や広告に騙されたりしないように注意してください。
全般的に楽に稼げるといった副業は詐欺案件である可能性が高いです。
投資系のものや、妙なセミナー、コンサル料を払って副業をスタートするようなものは非常に危険です。
お金に苦労している人にとって、「稼げる」というキーワードは非常に関心のあるものだと思います。
しかし、あなたのお金をだまし取ろうとしている悪徳業者は世の中には非常に多いです。
新たに副業にチャレンジしたい場合はこちらの記事を参考にしてください。
明確なスキルなしに稼げるなどといった夢物語は決して信じないようにしてください。
私の事例
副業の場として、この「ブログ」を今年の7月から始めてみましたが、今現在(10月時点)で絶賛大赤字です。
初期投資の1割も回収できていませんし、多くの時間をかけた意味があるのか、本当に読者の役に立てているのかといった不安を抱えながら続けています。
何事も最初から上手くいくことはありません。
習慣化して日々続けていき、5年続けてダメなら他のチャレンジをするといった長期目線で考えていく必要があると思います。
世の中にそうそうウマい話は転がっていませんし、現実は楽ではないです。
習慣化については次の記事でまとめていますので、よろしければ参考にしてください。
まとめ
副業と一口に言っても、いろいろなやり方があります。
- 現有能力の切り売り
- 将来への自己投資
いずれかの目線で、自分にとって何が最適なもので、将来どのようになっていたいのかを見極めなければなりません。
副業を始めたとしても「稼げる」ようになるまでは時間やお金を要する場合があります。
変な業者に騙されないようにしながら、じっくりと副業にチャレンジしていきましょう。