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Wi-Fi 7は、まだ早い!TP-LinkのメッシュWi-Fi 6E「Deco XE75」を選ぶべき、極めて合理的な理由

あなたの家のWi-Fi、本当に“健康”ですか?

画面の隅で、くるくると回り続ける、忌々しいローディングアイコン。 オンライン会議の、最も重要な場面でフリーズする、上司の顔。 家の奥の寝室や、トイレの中では、かろうじて息をしている、貧弱な電波。

僕たちの日常は、もはや「Wi-Fi」という、目に見えないインフラなしには成り立たない。しかし、多くの家庭では、その最も重要なインフラが、古い規格や、不適切な機器によって「不健康」な状態に陥っているのが現実だ。

そして、その不健康な状態を放置することは、二つの、見過ごせないリスクを抱え込むことを意味する。 一つは、日々の生産性と快適性を損なう「パフォーマンスのリスク」。 そして、もう一つが、あなたの個人情報を危険に晒す「セキュリティのリスク」だ。

この記事は、そんな僕が、自宅マンションのWi-Fi環境を、最新かつ、最も合理的なシステムへと刷新した記録である。そして、なぜ僕が、市場を賑わせる最新規格「Wi-Fi 7」ではなく、その一歩手前の「Wi-Fi 6E」、その中でもTP-Linkの「Deco XE75」こそが、今の僕たちにとっての“最適解”だと断言するのか。その、極めて論理的な理由についての、詳細な解説だ。

なぜ、僕たちはルーターを“買い換える”必要があるのか

そもそも、なぜ、今動いているルーターを、わざわざ買い換える必要があるのか。 その理由は、あなたが思っている以上に、深刻だ。

① 古いルーターは、現代の“交通量”に耐えられない

かつてのインターネットは、PCが一台繋がっていれば、それでよかった。しかし、現代の僕たちの家には、何台のデバイスがぶら下がっているだろうか。スマートフォン、PC、タブレット、テレビ、ゲーム機、スマートスピーカー…。 古い規格のルーターは、この膨大な数のデバイスが同時に通信する「交通量」を、もはや捌ききれない。その結果が、特定の部屋だけ電波が届かない「デッドスポット」や、家族が同時に動画を見始めると、途端に遅くなる「速度低下」なのだ。

② 古いルーターは、あなたの家の“鍵”が開けっ放しになっているのと同じ

そして、こちらの方が、遥かに重要な問題だ。 Wi-Fiルーターは、あなたの家庭内ネットワークと、外部のインターネットを繋ぐ、唯一の「玄関」である。そして、その玄関の鍵(セキュリティ)は、メーカーが提供する「ファームウェア・アップデート」によって、日々、強化されている。

しかし、発売から数年が経過した古いルーターは、このセキュリティアップデートの提供が、ある日、突然、打ち切られる。 それは、あなたの家の玄関の鍵が、もはや役に立たない、古い型のままで、世界中のハッカーに対して「どうぞ、お入りください」と、無防備に扉を開け放っているのと同じ状態なのだ。

「Wi-Fi 7」ではなく、なぜ「Wi-Fi 6E」が“今”の最適解なのか

では、買い換えるとして、どの規格を選べばいいのか。 今、市場には「Wi-Fi 6E」と、そのさらに次世代の「Wi-Fi 7」という、二つの新しい規格が存在する。

僕が、なぜ「Wi-Fi 7」を選ばなかったのか。 それは、今の日本の多くの家庭環境において、Wi-Fi 7は、その性能を100%発揮できない「オーバースペック」な存在だからだ。

Wi-Fi 7の最大の魅力は、最大46Gbpsという、異次元の通信速度だ。しかし、考えてみてほしい。あなたの自宅に引き込まれている、光回線そのものの速度は、何Gbpsだろうか? 多くのマンションでは、最大1Gbps(1000Mbps)が、上限のはずだ。

僕の自宅マンションも、まさにその典型で、各住戸まで来ている有線LANケーブルの規格は「Cat5e」。これは、物理的に1Gbpsまでしか対応できない。 つまり、いくら出口(Wi-Fiルーター)だけを、F1マシン(Wi-Fi 7)にしても、その手前にある高速道路(光回線)が、制限速度100km/h(1Gbps)である以上、全く意味がないのだ。

さらに、Wi-Fi 7は、まだ登場したばかりで、製品価格も、対応するスマートフォンやPCも、極めて高価だ。

一方で、「Wi-Fi 6E」は、価格もこなれてきており、対応端末も、続々と増えている。そして何より、Wi-Fi 6Eの最大の利点である、新しく開放された、電波干渉の極めて少ない「6GHz帯」という、空いた高速道路を使えるメリットは、Wi-Fi 7と同じように享受できる。

この状況を冷静に分析した結果、僕の結論は、明確だった。*「今、買い換えるなら、Wi-Fi 6Eが、最も賢く、コストパフォーマンスに優れた選択である」と。

我が家の最終兵器「Deco XE75」- メッシュWi-Fiという名の“革命”

そして、数あるWi-Fi 6E対応製品の中から、僕が選んだのが、TP-Linkの**「Deco XE75」**だ。 僕がこれを選んだ理由は、これが「メッシュWi-Fi」システムであるからに他ならない。

メッシュWi-Fiとは何か?

従来のルーターが、一つの親機から、家中に電波を飛ばす「拡声器」方式だったのに対し、メッシュWi-Fiは、複数のサテライト(子機)が、互いに連携し合い、家全体を、まるで網の目(メッシュ)のように、くまなくカバーするシステムだ。これにより、家のどこに移動しても、電波が途切れることなく、常に最強の電波を掴み続けることができる。

我が家の設置状況と、最強の接続方法「イーサネット・バックホール」

僕の家では、2台のDeco XE75を、玄関に一つ、リビングに一つ、設置している。 そして、この二つのユニットを、壁の中にあるLANコンセントを利用して、有線LANケーブルで接続している。これが、メッシュWi-Fiの性能を、極限まで引き出す「イーサネット・バックホール」という接続方法だ。

通常、メッシュWi-Fiのユニット間は、無線で通信する。しかし、その通信には、Wi-Fiの電波帯域の一部が使われてしまう。 イーサネット・バックホールは、このユニット間の通信を、有線LANという別の専用道路に任せることで、Wi-Fiのすべての電波帯域(2.4GHz、5GHz、そして6GHz)を、スマートフォンやPCのためだけに、100%解放することができるのだ。

もし、あなたの家に、僕のような有線LAN環境がない場合でも、このDeco XE75は、トライバンド(3つの電波帯)の利点を活かし、最も高速で空いている「6GHz帯」を、このユニット間通信(ワイヤレス・バックホール)専用に割り当てることができる。これもまた、非常に賢い選択だ。

驚愕のパフォーマンス - “シューズボックスの中”から、800Mbps

では、実際のパフォーマンスはどうだったか。 僕の自宅の回線は、前述の通り、最大1Gbpsだ。 その環境で、僕が計測した速度は、時間帯にもよるが、常時600〜800Mbpsという、驚異的な数値を、安定して叩き出している。

そして、何より僕が驚愕したのは、玄関に設置したユニットのパフォーマンスだ。 実は、このユニットは、景観を考えて、玄関の「シューズボックス(靴箱)」の中に、完全に隠して設置している。 木の扉一枚を隔てた、この悪条件下ですら、Deco XE75は、その性能を一切落とすことなく、家中に、強力な電波を供給し続けているのだ。

かつて、僕を悩ませていた、寝室の電波の弱さは、完全に消え失せた。家のどこにいても、僕は、契約している光回線の、ほぼ限界性能に近い速度を、享受できている。 この数年で、Wi-Fiの技術が、いかに進化したかを、まざまざと見せつけられた瞬間だった。

結論:不満なきWi-Fi環境は、もはや“買える”時代だ

Wi-Fiの不調は、もはや、我慢する時代ではない。 それは、正しい知識と、適切な投資によって、完全に「解決できる」問題なのだ。

最新の「Wi-Fi 7」は、確かに魅力的だ。しかし、多くの日本の住居環境においては、まだその真価を発揮できない、未来のテクノロジーだ。

今、僕たちが選ぶべき、最も合理的で、賢明な選択。 それが、「Wi-Fi 6E」であり、その中でも、メッシュWi-Fiシステム「Deco XE75」は、僕に、一切の不満も、後悔も感じさせない、完璧に近い答えを、もたらしてくれた。

あなたの家の、目に見えないインフラ。 その健康状態を、もう一度、見直してみてはどうだろうか。 快適なインターネット環境は、僕たちの人生の質を、確実に、そして劇的に、向上させてくれるのだから。

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