はじめに:この記事の“立ち位置”
- 筆者のスペック: 30代・文系出身・非エンジニア
- 試験結果: 2024年3月試験、不合格(合格基準点に対し、8点不足)
- この記事の目的: 成功体験記では語られない、「なぜ落ちるのか」「どこでつまずくのか」というリアルな敗因分析に基づき、特に文系出身者が、最短距離で合格基準を突破するための、超現実的な戦略を提示する。
1. 近年のDS検定の“リアル”な3つの傾向
巷の情報だけでは分からない、僕が本番の試験で肌で感じた、近年の傾向を共有する。
- 公式問題集の“デジャヴ感”は、ほぼない
- 僕自身、問題集はやり込んだ。しかし、本番で「これ、見たことある!」と即答できる問題は、驚くほど少なかった。
- 問われているのは、知識の「記憶」ではなく、知識を応用する「思考プロセス」そのものである。
- 「ビジネス力」分野の、隠れた“難易度”
- 文系にとって得点源と思われがちな「ビジネス力」分野だが、実際は、データサイエンスのプロジェクトを“マネジメント”する視点が求められる。
- 単なる常識問題ではなく、現場を知らないと判断に迷う、絶妙な選択肢が多い。
- 8割の壁は「知識の壁」ではなく「時間の壁」
- 合格基準の8割は、決して「8割の問題が解ける知識」を求めているのではない。
- 限られた時間の中で、「解ける問題を瞬時に見抜き、確実に得点し、解けない問題を勇気を持って捨てる」という、高度な“試験戦略”が求められる。
2. 文系出身者が、DS検定で“死なない”ための3つの戦略
僕の敗因の8割は、この戦略がなかったことにある。特に、統計学が苦手な文系は、以下の割り切りが必須だ。
- 統計学は「深追いしない」。理解すべきは“目的”だけ
- やるべきこと: 微分や数式を理解しようとするな。その手法が「ビジネスの、何を解決するための道具なのか」という目的(例:回帰分析=売上予測の道具)だけを、日本語で覚える。
- やるべきでないこと: 数式の意味を理解しようと、数学の参考書を開くこと。これは、費用対効果が最悪の“沼”だ。
- 「データサイエンス力」で、6割を死守する
- やるべきこと: 機械学習の各手法(ランダムフォレスト、SVMなど)の「長所と短所」「得意なことと苦手なこと」の比較表を、自作する。ここが、最も暗記が効き、得点に繋がりやすい。
- やるべきでないこと: 全ての技術を、完璧に理解しようとすること。まずは、頻出の5〜6個の技術の“キャラクター”を掴むことに集中する。
- 「ビジネス力」は、経験ではなく“型”で解く
- やるべきこと: 「プロジェクトの進め方(CRISP-DMなど)」「個人情報保護法」「著作権」といった、知識で確実に解ける問題を、絶対に落とさない訓練をする。
- やるべきでないこと: 自分のビジネス経験だけで、感覚的に解こうとすること。試験で問われているのは、あくまで“セオリー”である。
3. 試験当日と、その後の“しんどさ”を乗り越えるために
この試験は、終わった後も、精神的にしんどい。事前に知っておくだけで、心のダメージは軽減できる。
- 試験中のメンタル:
- 「初見の問題が出てきても、慌てない。それは、周りの受験者も同じだ」と、あらかじめ覚悟しておく。
- 分からない問題は、1分以上考えない。「後で戻る」のチェックをつけ、すぐに次の問題へ進む。時間切れが、最大の敵だ。
- 試験後のメンタル:
- テストセンターの画面に表示される合否は、あくまで速報値。一喜一憂せず、数週間後の正式結果を待つ。
- 不合格だった場合、その結果画面で、自分の分野別の得点率が、一瞬だけ表示される。 この画面を、必ず脳内に記憶しておくこと。 これが、次回の戦略を立てるための、最も貴重なデータとなる。(僕も、これで自分が統計で壊滅したことを知った)
結論:DS検定は、あなたの「思考のクセ」を教えてくれる鏡だ
この試験は、単なる知識のテストではない。 時間というプレッシャーの中で、いかに合理的な意思決定ができるか。自分の弱みを認め、強みで勝負する戦略を立てられるか。 まさに、僕たちビジネスパーソンに求められる、総合的な「戦略思考」そのものが問われる試験だ。
僕のこの「8点足りなかった」という失敗談が、あなたが最短距離で合格するための、そして、この試験を合格するための、確かな一助となることを、心から願っている。
公式のリファレンスブックと以下の問題集を参考に合格を勝ち取って頂きたい。