
その“痛み”、僕も、よく知っている
証券口座のアプリを、開く。 目に、飛び込んでくるのは、まるで、網膜を、焼き切るかのような、鮮血の“赤”。 昨日まで、君の、未来への希望だったはずの、資産評価額が、一日で、数十万、あるいは、数百万円、消え失せている。
「安定した、配当金が、魅力だと、聞いたのに…」 「高配当株は、暴落に強いと、信じていたのに…」
君は、心の中で、こう、叫んでいるはずだ。 「話が、違うじゃないか」と。 一年かけて、受け取るはずだった、けなげな配当金を、たった一日で、吹き飛ばすほどの、含み損。 もはや、何のために、投資をしているのか、分からない。
もし、君が今、そんな、静かなる「絶望」と「後悔」の、海の底に、沈んでいるのなら。 僕は、君に、伝えなければならない。
僕もまた、リーマンショックや、コロナショックという、数々の、地獄の嵐を、潜り抜けてきた、一人の、投資家だ。 そして、今なら、確信を持って、君に、告げることができる。
この、心が、折れそうになるほどの、最大級の「痛み」の、まさに、その瞬間こそが、君の「高配当株投資」という、戦略の“真価”が、問われる時なのだ、と。
君は、まだ“本当の敵”の、正体に、気づいていない

まず、僕たちが、認識しなければならないのは、この戦いの、本当の「敵」の正体だ。 敵は、「市場の暴落」などでは、断じてない。
僕たちの、本当の敵。それは、君自身の、心の中にいる「狼狽(ろうばい)する、自分」だ。
①「資産評価額」という名の、“幻影”
僕たちが、暴落時に、苦しむ、最大の理由。 それは、僕たちが、毎日、変動する「資産評価額」という、一つの、そして、極めて、移ろいやすい“数字”だけを、見つめてしまっているからだ。
しかし、考えてみてほしい。 君が、VYMや、日本の高配当株を、買った、その瞬間に、君が、本当に、手に入れたものは、何だっただろうか。 それは、明日には、変わってしまうかもしれない、ただの「評価額」だったのか。
違うはずだ。 君が、本当に、手に入れたかったのは、その、企業の、事業の一部を、所有し、そこから、生み出される、利益の、一部を、受け取り続ける「権利」ではなかったか。
②「インデックス投資家」と「高配当株投資家」の、決定的な“違い”
ここで、僕たちが、僕たちの「プレイスタイル」を、再確認する必要がある。 インデックス投資家が、追い求めるのは、長期的な「資産評価額の、最大化(トータルリターン)」だ。 だから、彼らにとって、暴落は、純粋な「痛み」となる。
しかし、僕たち、高配当株投資家が、追い求めるのは、それだけではない。 僕たちが、何よりも、重視するのは、安定的で、継続的な「現金の、流れ(キャッシュフロー)」だ。
この、二つの、プレイスタイルの違いを、理解せずして、この、嵐を、乗り越えることは、できない。
僕が、コロナショックの“ど真ん中”で、見た“光” - 配当金という名の「精神的な、命綱」

僕自身の、実体験を、語ろう。 2020年3月、コロナショック。 世界中の市場が、かつてないほどの、スピードで、暴落した、あの日々。 僕の、資産評価額もまた、凄まじい勢いで、溶けていった。 僕の、合理的な、思考も、麻痺寸前だった。
しかし、そんな、暗闇の、どん底で。 僕の、証券口座に、一つの、通知が、届いた。
「VYM 配当金、入金のお知らせ」
その、金額は、決して、大きなものではなかった。 しかし、その、数字の羅列が、僕の目に、飛び込んできた瞬間。 僕は、確かに、一筋の“光”を、見たのだ。
その、チャリン、と、口座に振り込まれた、生々しい「現金」は、僕に、何よりも、雄弁に、語りかけてきた。
「おい、世界は、まだ、終わっていないぞ」 「僕たちが、所有する、何百という、偉大な企業たちは、この、パニックの、ど真ん中でも、事業を続け、利益を上げ、そして、君に、その一部を、分配しているんだぞ」と。
評価額という、ただの“幻影”が、どれだけ、暴れ狂おうとも。 僕の元には、「配当金」という名の、確実な、そして、温かい“現実”が、流れ込み続ける。 この、一点の事実こそが、僕の心を、狼狽売りという、最も、愚かな行為から、守ってくれた、「精神的な、命綱」だったのだ。
“逆張り”の、快感 - 暴落は、未来の“配当利回り”を、高める、最高の“好機”だ

そして、この「精神的な、命綱」が、僕たちの“守り”の、最終防衛ラインなのだとすれば。 暴落は、僕たちに、最高の“攻め”の、機会を、もたらしてくれる。
①「株価」は、下がる。しかし、「配当」は、下がらない(ことが多い)
暴落時、株価は、人々の、感情的なパニックによって、その、企業価値とは、無関係に、叩き売られる。 しかし、VYMに、含まれるような、成熟した、優良企業の「配当金」は、どうだろうか。 彼らの、事業は、多少の、経済危機では、揺るがない。彼らは、株主への、還元を、何よりも、重視する。 その結果、株価の、下落率に比べて、配当金の、下落率は、遥かに、小さい、という現象が、起きるのだ。
② 君の「将来の、配当利回り」が、跳ね上がる
これは、何を、意味するか。 君が、今日、受け取った、配当金で、買い増すことができる「株数」が、平時よりも、圧倒的に、多くなる、ということだ。
暴落とは、未来の、君の「キャッシュフロー」を、生み出してくれる“金のなる木”の、幹そのものが、市場で、叩き売りされている、世紀の“バーゲンセール”なのである。 この、バーゲンセールで、どれだけ、冷静に、そして、貪欲に、買い増すことが、できたか。 その、一点が、数年後の、君の「第二の給料日」の、金額を、決定的に、左右する。
結論:狼狽えるな。君の“戦略”は、間違っていない

もう一度、君の、ポートフォリオを、見つめ直してみてほしい。 そこに、並ぶ、赤い、数字の羅列。 それは、君の、戦略の「失敗」を、意味するものでは、決してない。
それは、君の、戦略が、今、まさに、この、過酷な、ストレステストの、環境下で、その、本当の“真価”を、発揮しようとしている、前触れなのだ。
君が、やるべきことは、ただ、二つ。
- 振り込まれ続ける、配当金を、眺め、心の、平穏を、保て。
- そして、もし、君に、余剰の、弾薬(現金)があるのなら、恐怖に、打ち勝ち、その、バーゲンセールで、淡々と、買い増しを、続けろ。
嵐は、いずれ、過ぎ去る。 そして、その後に、残るのは、パニックで、すべてを、失った者たちの、残骸と、 嵐の中で、静かに、そして、賢明に、種を、蒔き続けた、君の、目の前に広がる、豊かな、収穫の、大地だ。
信じろ。 君の、戦略を。 そして、君自身を。