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【正直要らん】買う気はなかったのに…。偶然当選した「Nintendo Switch 2」が、僕の日常を豊かにした話

2025年8月11日

その当選通知は、突然やってきた

正直に告白すると、僕は「Nintendo Switch 2」を、それほど熱心に欲していたわけではなかった。

初代Switchは持っていたし、その革新的なコンセプトには今も敬意を抱いている。しかし、40歳を目前にした僕の日常は、ゲームに没頭する時間をなかなか許してくれない。熱狂的な新作のニュースを横目に、「まあ、いつか機会があれば…」と、どこか他人事のように捉えていたのだ。

だから、何気なく申し込んでいた抽選販売の「当選おめでとうございます!」という通知を見た時、喜びよりも先に「おっと、当たってしまったか…」という、わずかな戸惑いがあったのを覚えている。

5万円を超える、決して安くはない出費。本当に、今の自分に必要なのだろうか?

半信半疑のまま、僕はSwitch 2の箱を開けた。しかし、その時まだ知らなかったのだ。この偶然の出会いが、僕の、そして家族の日常に、予想をはるかに超える彩りをもたらしてくれることになるなどとは。


第一章:開封の儀 -「5万円は高い」という先入観が溶けていく時間

自宅に届いた、少しだけ大きくなった箱。開封してまず感じたのは、初代SwitchのDNAを受け継ぎながらも、あらゆる点が洗練されているという、静かな感動だった。

手に取った本体は、心なしか質感が向上している。画面はわずかに大きくなり、有機ELディスプレイが採用されたのだろうか、黒の締まりと発色が明らかに違う。テーブルモードで置いた時の、スタンドの安定感も増している。

そして、新しいJoy-Con。初代で多くのユーザーを悩ませたスティック問題への対策が感じられる、しっかりとした操作感。握った時のグリップ感も、長時間のプレイを意識してか、絶妙に改良されている。

ドックに差し込み、テレビに映し出されたホーム画面の鮮明さを見た時、僕の「5万円は高い」という先入観は、ゆっくりと溶け始めていた。

これは、単なるマイナーチェンジではない。ユーザーが感じていたであろう、細かな不満やストレスを、一つひとつ丁寧に、誠実に潰し込んだ「次世代機」としての覚悟が、このハードウェアの隅々から伝わってくる。価格には、理由がある。そう直感させるだけの説得力が、そこにはあった。


第二章:僕の日常を塗り替えた「2つの魔法」

そして、僕の日常は、この新しいガジェットによって、二つの異なる魔法にかけられることになった。

魔法その①:リビングが、笑顔のサーキットになる(マリオカート編)

最初の魔法は、僕と子どもたちの間にかけられた。 週末の午後、リビングのテレビで起動したのは、もはや国民的ゲームとなった『マリオカート』の最新作だ。

「うわ、キレイ!」「キャラクターがツルツルしてる!」

子どもたちの歓声が上がる。Switch 2のパワーアップした性能は、見慣れたはずのマリオの世界を、より鮮やかに、より滑らかに描き出していた。ロード時間はほぼ感じられず、レースは驚くほど快適だ。

4人で画面を分割しても、処理がもたつくことは一切ない。僕が投げた甲羅が娘のカートに命中し、息子が放ったサンダーで全員が小さくなる。リビングには、悔しがる声、爆笑、そしてハイタッチの音が響き渡る。

この時、僕は確信した。 Switch 2は、単なるゲーム機ではない。これは、世代を超えて、家族のコミュニケーションを活性化させるための、最高のツールなのだと。スマホやタブレットが「個」の時間を充実させるデバイスだとすれば、Switch 2は「共」の時間を作り出し、リビングの中心で家族を繋ぐ、現代の“囲炉裏”のような存在なのかもしれない。

魔法その②:自分だけの世界へ旅立つ、大人のための冒険(ゼルダの伝説編)

そして、もう一つの魔法は、僕一人だけの、静かな夜にかけられた。 家族が寝静まった後、僕はソファに深く腰掛け、Switch 2を携帯モードで手に取る。ヘッドホンを装着し、起動するのは、このハードの性能を限界まで引き出すと言われる『ゼルダの伝説』の新作だ。

画面に広がるのは、息を呑むほどに美しい、広大なハイラルの大地。風にそよぐ草木、遠くに見える山々の稜線、水面のきらめき。これが携帯機で体験できるとは、にわかには信じがたい。

初代Switchでは時折感じられた、処理の重さやカクつきは皆無。広大なフィールドを、ほぼロード時間なしでシームレスに冒険できる。進化した物理演算によって、謎解きの自由度はさらに増しているようだ。

「家事の合間に、少しだけ祠を攻略する」 「ベッドの中で、寝る前に素材集めの旅に出る」

テレビの前でまとまった時間を確保するのが難しい、僕のような忙しい大人にとって、「いつでも、どこでも、最高品質の冒訪を中断し、再開できる」というこの体験は、まさに福音だ。Switchが発明したこのコンセプトが、いかに僕たちのライフスタイルに寄り添ってくれているかを、改めて痛感させられた。


結論:Switch 2は、なぜ「究極の正統進化」と呼べるのか

体験を通して、僕はSwitch 2の本質を理解した。 それは、初代Switchが成し遂げた「ライフスタイル革命」というコンセプトを、一切いじることなく、ただひたすらに「体験の質」だけを磨き上げた、究極の「正統進化」であるということだ。

彼らは、奇をてらった新しいコンセプトを持ち出すことはしなかった。 ただ、僕たちがゲームをプレイする上で感じる、あらゆる小さなストレス──ロード時間、グラフィックの粗さ、操作性、バッテリー──を、最新の技術で丁寧に取り除いてくれた。

その結果、僕たちは、より快適に、より深く、ゲームの世界に没頭できるようになった。家族との対戦はより白熱し、一人での冒険はより孤独で、豊かになった。これこそが、僕たちが次世代機に本当に求めていたことなのかもしれない。


もし、幸運があなたを訪れたなら

冒頭で述べた通り、僕は、このハードを心の底から欲していたわけではなかった。 しかし、今なら断言できる。この偶然の出会いは、僕の人生における、最高の幸運の一つだったと。

5万円という価格は、決して安くはない。しかし、それは「モノ」の値段ではない。 家族と腹の底から笑い合う時間。 誰にも邪魔されず、自分だけの世界に没頭する、贅沢な時間。 日常の中に、心躍る「冒険」を取り戻すための体験。

Switch 2の価格は、そうした「かけがえのない時間へのチケット代」なのだと思えば、むしろ安いくらいなのかもしれない。

もし、あなたが僕と同じように、幸運にもこの新しい魔法の箱を手に入れる機会に恵まれたなら、ぜひ、そのチャンスを掴んでみてほしい。そして、理屈抜きで、心の赴くままに、その世界を楽しんでほしい。

きっと、あなたの日常も、少しだけ、色鮮やかに変わるはずだから。

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