高配当株投資

その楽天ポイント、まだコンビニで使ってる? “お金のなる木”を育てる、最も賢い第一歩

2025年8月28日

ポイントという名の「おまけ」に、僕たちは何を望むのか

僕たちの生活には、いつの間にか「ポイント」が溢れている。クレジットカードの利用、スマートフォンの決済、ECサイトでの買い物。その度に、僕たちは「ポイント」という名の、ささやかな“おまけ”を受け取る。

多くの人は、そのおまけを、次回の買い物で1ポイント=1円として使う。コンビニのコーヒーを少しだけ安く手に入れたり、ネットショッピングの足しにしたり。それは、賢い節約術であり、否定されるべきものでは、もちろんない。

しかし、僕は、ある時からその行為に、強烈な「もったいなさ」を感じるようになった。

なぜなら、そのポイントは、単なる「消費」の値引き券として使い捨てられる運命にあるだけではないからだ。それは、あなたの未来を静かに、しかし確実に豊かにしていく、「資産」の小さな種になりうるのだから。

この記事は、僕が実践している「ポイント投資」という、ささやかだが極めて戦略的な習慣についての話だ。もしあなたが、その他大勢と同じように、ただポイントを消費しているだけなら、この話が、あなたの「お金」と「未来」に対する価値観を、根底から覆すきっかけになるかもしれない。


第一章:なぜ、ただの“値引き”で終わらせるのか? - ポイントの価値の再定義

まず、本質的な問いから始めよう。 あなたがコンビニで100ポイント使って、100円のコーヒーを無料で手に入れたとする。あなたは、100円を得しただろうか? いや、違う。あなたは、100円分の価値を持つ資産を、ただ一杯のコーヒーと交換しただけだ。そのポイントは、消費され、完全に消滅した。

一方で、「ポイント投資」は、この価値のベクトルを全く逆の方向に向ける。 100ポイントで、投資信託や株式の一片を買う。その瞬間、あなたのポイントは「消費財」から「生産財」へと、その性質を劇的に変える。

それは、未来の利益を生み出す可能性を秘めた、「資本」へと転生するのだ。 日々の値動きに一喜一憂するかもしれない。しかし、長期的には、経済の成長と共にその価値を増し、配当金や分配金という、新たな果実(インカム)を生み出すかもしれない。

これは、単なるお得術ではない。自分の資産の性質を、「消費」から「投資」へと、自らの意思で転換させる、極めて「自律」的で、知的な行為なのだ。


第二章:ゼロから始める資本主義の“練習試合” - 失敗が許される最高のトレーニングジム

「投資」と聞くと、多くの人が尻込みする。「損をするのが怖い」「まとまったお金がないと始められない」「何だか難しそう」。

その気持ちは、よくわかる。しかし、ポイント投資は、これらすべてのハードルを、いとも簡単にクリアしてしまう。なぜなら、それは金銭的な損失リスクがゼロの、完璧な“練習試合”だからだ。

考えてみてほしい。 自己資金は、1円も必要ない。すべては、日々の生活で自然と貯まった「おまけ」が原資だ。たとえ、投資した先の株価が半分になろうとも、あなたの懐は1ミリも痛まない。失うのは、もともとおまけだったポイントだけだ。

この「失敗が許される」という心理的な安全性こそが、ポイント投資の最大の価値だ。 僕たちは、この最高のトレーニングジムで、

  • 株価や市場が、日々どのように動くのかという“感覚”
  • 少額でも、配当金や分配金が振り込まれるという“体験”
  • 経済ニュースが、自分のお金と地続きであるという“当事者意識”

といった、投資家としての最も基礎的で、最も重要なマッスルを、ノーリスクで鍛えることができる。 いきなり自己資金で大海に飛び込む前に、まずは安全なプールで、水に慣れる。ポイント投資は、資本主義というゲームを学び始めるための、最も賢明で、優しい入り口なのだ。


第三章:僕が実践する楽天ポイント投資術 - リアルな一歩の踏み出し方

では、具体的にどう始めるのか。僕がメインで実践している「楽天証券」でのポイント投資を例に、その一歩を紹介しよう。

なぜ、楽天証券なのか?

僕が楽天証券を選ぶ理由は、そのポイント経済圏の強さにある。楽天市場での買い物、楽天カードでの支払いなど、生活のあらゆる場面でポイントが貯まりやすく、そのポイントをシームレスに投資に回せるからだ。

何に、投資するのか?

僕が楽天ポイントを使って、コツコツと買い増している銘柄の一つが「iシェアーズ・コア Jリート ETF(銘柄コード:1476)」だ。 これは、日本の様々な不動産(オフィスビル、商業施設、マンションなど)に分散投資する投資信託(ETF)で、1株あたり数千円という少額から購入できる。そして何よりの魅力は、年に4回、分配金(≒家賃収入のようなもの)がもらえることだ。

ポイントで買った資産が、定期的にお金を生み出してくれる。この「小さな不労所得」を得る体験こそが、会社への依存度を下げ、経済的自立へと向かう、何よりのモチベーションになる。

もちろん、王道の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などの投資信託を、2024年から始まった新NISAのつみたて投資枠で、毎月ポイントを使って積み立てていくのも、極めて賢い戦略だ。


第四章:ポイント投資の、その先に見える“景色”

ポイント投資は、ゴールではない。それは、より大きな経済的自由へと至る旅の、素晴らしい「出発点」だ。

この練習試合で自信をつけたあなたは、次に、自分のお金を使って、より本格的な投資へと進んでいくだろう。

例えば、かつて「SBIネオモバイル証券」が提供し、現在は「SBI証券」の「S株(単元未満株)」サービスに引き継がれている仕組みを使えば、1株からでも、日本の優良な高配当株を買うことができる。

「毎月、配当金でランチ代を稼ぐ」 そんな、ささやかだがリアルな目標を立て、ゲーム感覚で株を買い集めていく。そうやって築き上げた資産が、数年後、数十年後には、あなたの人生を支える、頼もしい柱へと育っているかもしれない。


あなたのポイントは、未来への“投票券”だ

僕たちは毎日、意識的、無意識的に、ポイントという名の「票」を投じている。 その一票を、目先の割引のために「消費」し、消し去るのか。 それとも、未来の自分のために「投資」し、育っていく資産へと変えるのか。

その選択は、あなたが「どんな未来を望むか」という、意思表示そのものだ。

コンビニのレジで「ポイント使いますか?」と聞かれた時、少しだけ立ち止まって、考えてみてほしい。 そのポイントは、あなたの未来をどこへ連れて行ってくれるのだろうか、と。

さあ、今日から、あなたも“お金のなる木”を育てる、地味で、しかしエキサイティングな冒険を始めてみようじゃないか。

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