NISA 学び

【陰謀論者はクソ】 その“反抗期”、あなたの人生を詰ませます

2025年8月6日

あなたは、なぜ“搾取”され続けるのか?

「どうせ、俺たちの声なんて届かない」 「政治家や官僚は、自分たちのことしか考えていない」

国の政策の話になると、僕たちの周りでは、決まってこんな、冷笑的で、諦めに満ちた空気が流れ出す。その気持ちは、わからないでもない。

しかし、僕はあえて言いたい。 その、物分かりの良さそうな顔で、国を批判している、その“反抗期”。それこそが、あなたの人生を、気づかぬうちに、じわじわと「詰み」の状態へと追い込んでいる、最大の原因なのだと。

なぜなら、あなたが政治や制度に無関心でいる間にも、国は、この国という巨大な船の「進路」を、明確に、そして着実に、決定し続けているからだ。

この記事は、その国の「進路図」を読み解き、ただ文句を言いながら沈んでいく「乗客」から、その流れを巧みに利用して、自分だけの目的地にたどり着く「航海士」になるための、極めて現実的な戦略の話である。

「金がないからNISAができない」という、致命的な“勘違い”

国の意図を読み解く前に、まず、僕たちが陥りがちな、二つの思考停止の罠について、語らなければならない。

一つは、「酸っぱい葡萄」の罠だ。 「金がないから、NISAなんてできない」 多くの人が、そう口にする。しかし、それは本当だろうか。月々5000円、いや3000円からでも始められるこの制度に対して、「金がない」は、本当に正当な理由だろうか。

僕は、これは、イソップ童話のキツネと同じ、「手に入らないもの(資産形成という目標)を、手に入れられない自分を正当化するために、こき下ろす」という、心理的な自己防衛に過ぎないと思う。 「NISAなんて、金持ちのやることだ」と見下すことで、行動しない自分のプライドを、かろうじて守っているだけなのだ。

もう一つは、「陰謀論」という、心地よい思考停止の罠だ。 「国は、俺たちを騙そうとしている」「裏で、何かが企まれているに違いない」 陰謀論は、魅力的だ。なぜなら、それは、この複雑で、面倒な世界を、「善と悪」という、極めてシンプルな物語に書き換えてくれるからだ。そして、自分を「悪に立ち向かう、賢い被害者」の役に、置いてくれる。

しかし、その物語に酔っている間に、僕たちの人生は、1ミリでも良くなるだろうか。 断じて、ない。 「酸っぱい葡萄」も「陰謀論」も、結局は、行動しない自分への、甘ったれた「言い訳」に過ぎないのである。

国が、あなたに“本当に”してほしいこと - 政策という名の「メッセージ」を解読せよ

では、言い訳をやめて、現実を直視しよう。 国、特に未来を冷静に見据えているはずの官僚たちは、僕たち国民に、一体、何をしてもらいたいのだろうか。 その答えは、彼らが作り出す「制度」や「補助金」の中に、極めて明確に、記されている。

メッセージ①:「自分の老後は、自分で作れ」

国が、あれほどまでに「新NISA」「iDeCo」といった、非課税の投資制度を拡充しているのは、なぜか。 それは、「もはや、国が提供する年金だけでは、君たちの豊かな老後は保障できない。だから、税金を優遇してやるから、自分の力で、資産を作れ」という、強烈なメッセージだ。 「貯蓄から投資へ」というスローガンは、単なるキャッチフレーズではない。それは、国家による「自己責任」の、静かなる宣言なのである。

メッセージ②:「今のスキルのままでは、君は“詰む”ぞ」

なぜ、国は「教育訓練給付金」のような、学び直し(リスキリング)のための補助金を、手厚く用意しているのか。 それは、「AIの台頭と、産業構造の変化によって、君たちが今持っているスキルは、数年後には価値を失う。だから、国が金を出してやるから、痛みを伴ってでも、新しいスキルを身につけろ」という、危機感の表れだ。 変化に適応できない個人は、淘汰される。国は、その未来を、はっきりと見ている。

メッセージ③:「頼むから、結婚して、子どもを産んでくれ」

なぜ、東京都が、賛否両論を巻き起こしながらも、AIを活用したマッチングアプリ事業に乗り出したのか。 それは、「少子化は、この国の存亡に関わる、最大の危機だ。もはや、民間のサービスや、個人の自然な出会いだけでは、間に合わない。行政が、なりふり構わず、君たちの“出会い”を斡旋する」という、悲鳴に近いメッセージだ。

これらの制度から、僕たちが読み取るべきは、たった一つの、共通したシグナルだ。 国は、もはや、国民一人ひとりの人生を、手取り足取り面倒見ることはできない。だから、国が作った「インフラ(制度)」を、自らの意思で使いこなし、自律的に生き抜いてくれ——と。

あなたの時間は、誰の“養分”になっているのか?

この、国からの切実なメッセージを、僕たちは、どう受け止めるべきか。 残念ながら、多くの人は、この重要な情報収集を怠り、自らの最も貴重な資産である「時間」を、ただ浪費している。

電車の中で、多くの若者が、TikTokやインスタグラムのショート動画を、無限にスクロールしている。 その1時間で、一体、何が生まれるというのだろうか。 彼らの時間は、巨大なプラットフォーム企業と、一部のインフルエンサーの「養分」となり、彼らの私腹を肥やすためだけに、消費されていく。

もし、その1時間のうち、たった10分でもいい。 「教育訓練給付金 対象講座」 「〇〇市 住宅補助金」 「NISA 始め方」 と、自分の未来を助けるための情報を、検索することに、使っていたとしたら。 彼らの人生は、どれほど変わるだろうか。

結論:言い訳を捨て、ただ、やれ

僕たちの目の前には、二つの道がある。 一つは、これまで通り、社会への不満を口にしながら、思考を停止し、刹那的な娯楽に時間を溶かし、緩やかに、しかし確実に、沈んでいく道。

そして、もう一つは。 国の意図を冷静に読み解き、彼らが用意した制度という名の「踏み台」を、徹底的に利用し、自分自身の価値を高め、自らの手で、未来を切り拓いていく道だ。

陰謀論など、存在しない。 あったとしても、それは、行動しない君の、最後のプライドを守るための、惨めな言い訳に過ぎない。

嘆いている暇があるなら、手を動かせ。 国が差し出した、その手を、利用し尽くせ。

これからの時代を生き残れるのは、ただ文句を言う者でも、ただ国を信じる者でもない。 国の戦略を理解し、それを逆手にとって、自分自身の人生の目的のために、したたかに使いこなす者だけなのだから。

-NISA, 学び