【絶望】ヒゲ脱毛20回目の僕が、まだ“髭剃り”を手放せない理由。- “ヒゲが濃い男”にしか、わからない真実

そのレビュー、本当に信じていいですか？

「ヒゲ脱毛、10回でツルツルになりました！」「毎朝の髭剃りから、完全に解放されました！」

ネットの海を漂っていると、そんな、夢のような体験談が、これでもかと目に飛び込んでくる。その輝かしい成功事例を見るたびに、僕たち「ヒゲが濃い族」は、淡い期待を抱き、そして、クリニックの扉を叩く。

しかし、僕は、あえて言いたい。そのレビューを書いている人間は、本当に、あなたと同じ“種族”だろうか？と。

この記事は、ヒゲ脱毛に2年以上通い、20回以上のレーザー照射を、その身に受けてきた僕が、すべての「ヒゲが濃い民」に捧げる、一切の忖度なき、絶望と、そして、希望の全記録である。

もし、あなたが、昼過ぎにはマスクの内側が、青髭の“ジョリジョリ”で、毛羽立ってくるような人間であるならば。巷に溢れる、キラキラしたレビューは、今すぐ、ゴミ箱に捨ててほしい。そして、これから僕が語る、不都合な真実と、向き合ってほしい。

まず、結論から言おう。 20回の施術を終えた、今の僕。 いまだに、髭剃りは、手放せていない。ちなみに、ちゃんとした医療脱毛に通っている。

なんだ、結局、効果ないのか。そう思っただろうか。いや、そうではない。効果は、確かにある。しかし、僕たちが夢見る「永久に、一本も生えてこない、ツルツルの肌」というゴールは、少なくとも、僕たちのような“ヒゲエリート”にとっては、ほぼ到達不可能な、幻想に近いのだ。

僕たちが、ヒゲ脱毛で、本当に手に入れることができるもの。それは、「永久的な無毛」ではない。それは、「人生から“髭剃り”という、最も面倒な雑務を、一定期間、忘れさせてくれる、最高の“休暇”」なのである。

僕が、この、長く、険しい戦いの記録を、時系列で語ろう。

最初の数回は、地獄だ。レーザーが、黒い色素に反応するたびに、輪ゴムで弾かれるような、鋭い痛みが、顔面を襲う。そして、施術室には、自分のヒゲが焼ける、香ばしい匂いが立ち込める。

「こんな痛みを、あと何回も…？」心が折れそうになる。

しかし、5回目を過ぎたあたりから、最初の“奇跡”が起きる。これまで、僕の顔面に、最も広大な領土を築いていた、頬と、顎下のヒゲ。それらが、明らかに、薄くなり始めたのだ。ポロポロと、抜け落ちていく、かつての宿敵たち。この時、僕は、初めて、この戦いに、勝利の可能性があることを、確信した。

しかし、戦いは、そんなに甘くはなかった。頬と顎下の制圧に成功した僕の前に、二つの、あまりにも強大な要塞が、立ちはだかる。

鼻の下と、顎だ。

この二つのエリアは、僕のレーザー攻撃を、あざ笑うかのように、何度、照射しても、その勢力を、一向に衰えさせない。ネットで見た「10回で、ほぼ生えてこなくなりました」というレビューは、僕にとっては、遠い異国の、おとぎ話でしかなかった。この時期が、精神的には、最も辛い。

15回目の照射を、超えたあたりだろうか。僕の中で、この戦いに対する、一つの「悟り」が、生まれる。

「これは、殲滅戦ではない。これは、“支配領域”を、広げる戦いなのだ」と。

施術後、1〜2週間すると、レーザーで焼かれたヒゲが、自然と抜け落ちていく。そして、そこから、約1ヶ月間。僕の顔には、ほぼ、ヒゲが生えてこない「平和な期間」が、訪れる。

朝、鏡の前で、シェーバーを握る必要がない。旅行に行く時、髭剃りセットを、持っていく必要がない。夕方、マスクの中で、ジョリジョリと音を立てる、あの不快感もない。

この、圧倒的な「解放感」。これこそが、ヒゲ脱毛が、僕たち「ヒゲが濃い民」にもたらしてくれる、最大の“恩恵”なのだ。僕は、永久的な平和を求めるのではなく、この、束の間の、しかし、確実な平和を、勝ち取り続けるために、この戦いを継続することを、決意した。

そして、20回を超えた、今。僕は、まだ、髭剃りを、手放せてはいない。鼻の下と顎には、いまだに、しぶとい抵抗勢力が、残っている。頬や顎下にも、細く、弱々しい毛が、再生してくる。

しかし、戦況は、明らかに、僕に有利だ。

髭剃りが、圧倒的に“楽”になった。 かつては、深剃りするために、何度も、何度も、カミソリの刃を、肌に滑らせていた。今は、1〜2回、軽く剃るだけでいい。カミソリ負けの恐怖からも、解放された。
青髭が、薄くなった。 夕方になると、土気色に沈んでいた、僕の口周り。その、不健康な印象が、明らかに、改善された。
そして何より、「1ヶ月の休暇」は、今も、僕の心を支えてくれている。