先日同じ職場の方が簿記2級を受けるというので、じゃあ一緒に勉強&受験しようってノリで10年ぶりに簿記2級を受けました。
結果として普通に落ちました。(一緒に受けた方は合格していましたが)
そのあまりの難易度インフレっぷりに驚きました。
近年簿記2級の難易度が上がった理由
難易度が激化した理由は、2016年度の試験から3年かけて出題範囲が大幅に改定されたからのようです。
現在のビジネスシーンの影響から、内容が改訂され、外貨建取引やリース取引、その他有価証券の処理、税効果会計、連結会計、連結会計アップストリーム、本支店会計が含まれるようになったようです。
もともと1級の範囲だった問題が含まれるようになった結果、難易度が右肩上がりになっているようでした。
ネット試験(CBT方式)の難易度は同じ?
2020年12月からネット試験(CBT方式)が受験できるようになっています。
昔は商業高校などの試験会場に行って受けなければなりませんでしたが、再チャレンジも非常に容易になりました。
PC操作に慣れている必要性がありますが、最新の合格率はネット試験の方がやや高い傾向にあるようです。
実務と照らして
今回の勉強と試験を通じて、経理の仕事をしている立場として分ったことは、今の2級の難易度は、おおよそ世間一般の経理実務と比べてもやや難易度が高すぎるということです。
経理職を希望して、あのレベルまで簿記を勉強して合格した人たちが、あれだけの高度な知識を習得しながらも、希望の職種の仕事ができないというのはとても気の毒な気がします。
とくに若い世代の人たちに対してチャンスが与えられなくなることを危惧しています。
もちろん簿記2級を知らなければ経理業務ができない側面はありますが、非上場会社に勤める際に連結会計の知識は必要ないですし、簿記自体持っていなくても経理業務は出来ます。
それよりも会計システムが高度化された現代、Excelのスキルや、資料作成スキルの方が重要視されるはずです。
まとめ
簿記2級はいわゆる資格の箔付けの一つと本人たちが割り切っていて、実際には簿記以外にも様々な資格を持っていて、営業職や生産、開発の仕事に就くことにあまり抵抗がないというなら、良いのかもしれませんがそれにしても2級の内容は難易度を上げすぎています。
というのも必要な学習にかかる期間が、段違いです。
昔なら2、3か月みっちり勉強すれば要領が良ければ受かったかもしれませんが、今は4,5か月が当たり前の難易度です。
学生にとっても、この2か月の差は大きいはずで、2級を確実に受かるために犠牲にしなければならない時間は大きなものになると思います。
そのような犠牲に見合うようブランド価値を高める努力を商工会議所がしてくれていればいいのですが、私は経理職でありながら今回自分で受験するまで簿記2級の難易度のインフレっぷりを知らなかったので、世間の認知度はまだまだ低いのだと思います。
少なくとも商工会議所はこの難易度とブランド価値のギャップを埋める努力をしてほしいと思います。