NISA 高配当株投資

【新NISA最強ポートフォリオ】“成長投資枠”でVYM、“つみたて投資枠”でオルカン。この組み合わせが「攻守最強」な理由

あなたは、国が与えた“武器”を、使いこなせているか?

2024年から始まった「新NISA」。 それは、単なる税制優遇制度ではない。僕は、これを、国が僕たち国民に対して突きつけた、一つの「挑戦状」であり、同時に、未来を生き抜くための「最強の武器」だと捉えている。

「もはや、国だけの力では、君たちの豊かな老後は保障できない。だから、この“非課税”という名の、強力な武器を授ける。これを使って、自らの手で、未来を切り拓け」——と。

しかし、どれだけ強力な武器も、その使い手が一流でなければ、ただの鉄の塊だ。 ネット上には、「S&P500が最強だ」「いや、オルカンこそが至高」「レバナスで一発逆転を狙え」といった、無数の情報が溢れ、多くの人が、どの武器を、どう構えればいいのか、分からずにいる。

この記事は、そんな僕が、長年の思索と実践の果てにたどり着いた、一つの「最適解」についての、僕なりの全解説である。 それは、あまりにもシンプルで、しかし、「攻守」のバランスにおいて、これ以上ないほどに完成された、一つの芸術的なポートフォリオ。

「つみたて投資枠」で、全世界株式(オルカン)を。 「成長投資枠」で、米国高配当株式ETF(VYM)を。

なぜ、この組み合わせが「攻守最強」なのか。その、極めて合理的で、僕の人生観そのものでもある理由について、語り尽くしたい。

守り(ディフェンス):なぜ「つみたて投資枠」は、“オルカン”一択なのか

まず、資産形成における「守り」とは、何か。 それは、決して負けないこと。個別の企業や、特定の国の浮き沈みといった、予測不可能な“ノイズ”から、自らの資産を守り抜き、世界の成長という、最も確かな潮流に、ただ、身を任せることだ。

この「守り」の哲学を、完璧に体現しているのが、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称“オルカン”である。

① 地球まるごと、分散投資という“絶対的な守備範囲”

オルカンを100円買う。その行為は、日本、アメリカ、ヨーロッパ、そして、これから成長するであろう新興国まで、世界約50カ国、数千社もの企業に、一瞬で分散投資することを意味する。 あなたは、もはや、特定の国の未来に、賭ける必要はない。あなたが賭けているのは、「人類は、長期的には、なんだかんだで、前に進むだろう」という、最も確実で、最も壮大な、一つの“事実”だけだ。

② 思考停止で、世界最強の布陣を維持する“自動操縦”

世界の経済地図は、常に塗り替えられていく。かつて世界を支配した日本の企業群のように、今、最強を誇るアメリカの企業も、30年後には、その座を、インドやアフリカの新興企業に明け渡しているかもしれない。 オルカンは、その世界の勢力図の変化を、自動的に、そして冷静に、ポートフォリオに反映し続ける。僕たちは、何も考える必要はない。ただ、この「地球代表チーム」という名の船に、乗り続けていればいいのだ。

③「つみたて投資枠」との、完璧な“相性”

毎月、淡々と、感情を排して、一定額を積み立てていく「つみたて投資枠」。 その思想と、世界の平均点を、ただひたすらに追い続けるオルカンの思想は、完璧に一致する。 守備とは、派手なファインプレーを狙うことではない。それは、決して崩れない、鉄壁の陣形を、静かに、そして、永続的に、維持し続けることなのだ。

攻め(オフェンス):なぜ「成長投資枠」は、“VYM”なのか

鉄壁の守りを固めたら、次に必要なのは、得点を奪うための「攻め」の力だ。 僕にとって、資産形成における「攻め」とは、単に資産総額(評価額)を増やすことではない。それは、僕の“今”の人生を、豊かにし、精神的な自由をもたらす、具体的な「現金(キャッシュフロー)」を生み出すことだ。

この「攻め」の哲学を、僕に教えてくれたのが、「VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)」である。

① 「配当金」という、手触りのある“ゴール”

オルカンが生み出すのは、将来のための、画面上の「評価額」という、少しだけ“概念的”な富だ。 しかし、VYMが生み出すのは、3ヶ月に一度、僕の証券口座に、容赦なく振り込まれる、生々しい「現金」である。

この、手で触れることのできる、具体的なキャッシュこそが、僕の心を、何よりも満たしてくれる。それは、僕が、この退屈な資産形成というゲームを、投げ出さずに続けるための、最高の“ご褒美”であり、“モチベーション”なのだ。

② 巨大で、退屈な“王者”たちの、圧倒的な安定感

VYMが投資するのは、エクソンモービルや、ジョンソン・エンド・ジョンソンといった、巨大で、成熟しきった、しかし、それぞれの業界で、圧倒的な支配力を持つ、アメリカの“王者”たちだ。 彼らが、明日、倒産することはないだろう。そして、彼らは、景気が良かろうが悪かろうが、株主への配当という形で、利益を還元し続けてきた、長い歴史を持つ。 この、退屈なほどの安定感が、僕に「暴落時でも、配当金はもらい続けられるだろう」という、絶大な“精神的な安心感”を与えてくれる。

③「成長投資枠」で、“金のなる木”を非課税で育てる

そして、このVYMを、年間240万円という、大きな金額を投資できる「成長投資枠」で買い続けること。 それは、僕の人生の後半を支える、巨大な「金のなる木」を、一切の税金がかからない、特別な農園で育てる行為に他ならない。 今はまだ、ささやかな果実(配当金)しか生まないかもしれない。しかし、10年、20年と、辛抱強く育て続けたその木は、いずれ、僕が働かなくても、生活を支えてくれるほどの、豊かな果実を、実らせてくれるはずだ。

なぜ、この組み合わせは「攻守最強」なのか

オルカンとVYM。この二つを組み合わせることで、僕たちのポートフォリオは、弱点のない、完璧な布陣となる。

  • 守備(オルカン): 全世界への分散投資で、あらゆる地政学リスクを吸収し、世界経済全体の成長を、着実に捉え続ける。これが、僕たちの資産の、決して揺らがない“土台”となる。
  • 攻撃(VYM): その土台の上で、米国経済の心臓部である優良企業群が、力強いキャッシュフローを生み出し続ける。これが、僕たちの人生に、“自由”と“実感”をもたらす、強力なエンジンとなる。

市場がどんな状況になろうとも、このポートフォリオは、僕たちの心を、穏やかに保ってくれるだろう。 成長の果実は、オルカンが、静かに再投資してくれる。 日々の生活を潤す現金は、VYMが、定期的に供給してくれる。

これほどまでに、合理的で、そして、精神的にも、安心できる組み合わせが、他にあるだろうか。

結論:迷うな。ただ、この“陣形”を組め

新NISAという、国民的ゲームが始まった。 多くの人が、どの武器を選び、どんな戦略で戦うべきか、迷っている。

しかし、僕は、あえて断言したい。 僕たちのような、特別な才能を持たない、普通のサラリーマンが、このゲームに勝利するための方法は、すでに、確立されている、と。

守りは、オルカンに、すべてを任せろ。 そして、攻めは、VYMに、すべてを託せ。

あとは、ただ、毎月、淡々と、この最強の布陣に、兵力(資金)を送り続けるだけだ。 10年後、20年後。その時、君の目の前には、今の君が、想像もできないほどの、豊かで、自由な景色が、広がっているはずだから。

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